ワイン色の秋
ぶどう酒を吸い込んだようなパ二カム
ふうわりと揺れて 風を運ぶ
きゃしゃな穂先の向こうに
秋が深まる
作者 光風流家元講師 藤本和甫
花材 パ二カム、リョウブ、ネクタリン、
ブドウ、サツマイモ
敷板 長方形花台
家元挨拶
私たち光風流は、伝統的な「いけばな」が持つ和の感性をまもりながら、花をもって暮らしを彩り心に安らぎを育てることを第一と考えます。
洋の東西を問わず、花で彩る心と花で彩られた暮らしは、高価な家具調度品や宝飾品が持つ贅をも凌駕します。
人々の暮らしは日々新しいものへと変化しています。この速い変化に作法や様式美を旨とする旧来の「いけばな」では対応しきれなくなっています。光風流は「和の感性」こそ柔軟にかつ大らかに人々の変化に対応できると確信しています。これは、様式美を否定する姿勢ではなく、人々の暮らしこそを第一に考える姿勢です。
和の感性とは本来柔軟で簡素なものです。光風流は、時代の流れの中で住まう地域や気候に応じて変化し続ける新しい暮らしを、この和の感性で彩ることを目的とした「いけばな」です。
洋風の家だから、田舎家だから、マンションだから、南国だから、北国だから、フォーマルだから、カジュアルだからと理由を付けて拒絶することをしません。
この柔軟で簡素な光風流のいけばなを出来るだけ沢山の地域の人々に伝えていきたいと思い、日々私たちは活動しています。
光風流家元 内藤 正風